「デジタルトランスフォーメーション」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
デジタルトランスフォーメーション、通称「DX」は2004年にスウェーデンの大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱された、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念のことです。
実際、私たちの生活はITの浸透が進み、とても便利になりました。
しかし、企業レベルで見ると、「ITを積極的に取り入れている企業」と、逆に、「ITを中々取り入れることができずに取り残される企業」の2極化しつつある状況です。
この記事では、DXに取り組むとは、具体的にはどういうことなのか?
そして、DXに取り組むメリット、デメリットを説明します。
「デジタルトランスフォーメーション(DX)」とは具体的にどういうことなのか?
「デジタルトランスフォーメーションを取り入れる」と聞いてもちょっとイメージが湧かないという方もいるのではないでしょうか。
DXの施策には様々な種類があります。
この章では、その中でも代表的な2つの施策を説明します!
基盤システムのクラウド化
クラウドとは、クラウドコンピューティング(cloud computing )の略称で、
実際にソフトウェアやハードウェアを企業で用意しなくても、インターネット経由でサービスを受けることができる仕組みのことです。
日本で最も有名なクラウドコンピューティングサービスは「AWS(Amazon Web Services)」です。
クラウド化のカンタンな例を挙げます。
例えばIT業界の会社が、新事業を立ち上げようとした時に、一からデータセンターを借りて、様々なハードウェアを購入してしまうと、途中で撤退が必要になった時に、多額の負債を抱えてしまうリスクがありますよね。
クラウドでは必要な時に、必要な分だけサービスを使うことができるので、導入コストや、撤退するときのコストを抑えることができます。
特にベンチャー企業等では積極的に採用される傾向にあります。
機械学習の活用
機械学習とは、AIを利用して分析等を行うことです。
代表的なもので、画像認識、音声認識などがあげられます。
画像認識
「画像の特徴を学習する」ことで、 たくさんの画像の中から、近いジャンルの画像を見つけだすようなことも可能になる技術のことです。
メルカリで、商品を出品しようとするときに、商品画像を元に、商品情報を自動で入力してくれる仕組みや、Googleで画像を検索するときにも画像認識の仕組みが使われています。
音声認識
電話や会議の内容を自動で文字起こしをしたり、 英語を日本語に翻訳するようなことが可能です。
最近流行りのスマートスピーカーと呼ばれるGoogle HomeやAlexaでも、音声認識の技術が使われています。
youtubeでも字幕表示機能が追加されたことで、耳の聞こえない方にも有益な情報を届ける事ができるようになりました。
企業が「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に取り組むメリットとは?
デジタルフォーメーションには様々なメリットがあり、企業の業種によっても変わってきますが、
共通したメリットはコストの削減です。
実は、デジタルフォーメーションを取り入れて、今まで実現できなかった次世代のサービスを提供しているような企業は稀で、
既にあるサービスのコストを削減することが目的になっている企業が多いです。
企業には、人件費・電気代・通信費などの毎月かかる費用から、
新規でモノを購入するためにかかる費用まで、様々な費用がかかっています。
単純な作業をAIに任せることで、残業時間を大幅に減らすことに成功した事例も数多く存在していますし、
オフィスや、データセンター等を持たずにリモートだけで完結することで、企業の維持コストを可能な限り削減している企業も出てきています。
そして、浮いた時間やお金を使って、新しいサービスやビジネスモデルの開発をすることが可能です。
「デジタルフォーメーション」にはデメリットもある
ここまでデジタルフォーメーションの具体的なイメージやメリットを紹介してきました。
最後に、デジタルフォーメーションのデメリットについても触れておきます。
先ほどのメリットに矛盾するようですが、結果が出るまでに時間やコストがデメリットになり、
これでIT化に慎重な企業もあります。
企業が今まで積みあげてきた仕組みにデジタルフォーメーションを取り入れるには、システムを作り替えたり、検討をするための時間が多く必要です。
今までITと無縁だった企業では、ITに知見がある人材も不足している傾向があるので、
社内の人間だけでは、デジタルフォーメーションを取り入れることが難しく、コンサル会社や、業務委託と契約をする必要があり、かなりのコストが発生します。
IT化ができた後も、社内に新しいプロセスが浸透するまでは学習コストが発生するので、かえってIT化の前より効率が落ちる期間も想定しなければなりません。
例えば、交通費用の精算システムを導入して、書面で申請する手間の削減を試みたとします。
でも、精算システムが浸透するまでは、入力ミスや二重申請が起きることもあり、マニュアルを作成するコスト等、最初は問題がつきものです。
対策は、デジタルフォーメーションを取り入れるために必要なコストと、回収できる期間を見積もって計画を立てることです。
他の企業の成功事例を元に、IT化で改善できる業務と、改善が難しい業務を切り分けることで、投資したコストをどのように回収するのか見えてきます。
まとめ
本記事では、「デジタルフォーメーション」について説明してきました。
少しでも、デジタルフォーメーションのイメージが掴めたら幸いです。
デジタルフォーメーションをうまく取り入れた企業は、
コストを大幅に削減でき、新規事業の立ち上げる余裕が生まれます。
一方で、IT化とうまくかみ合わない企業もあるので、企業の業界や財政状況次第で、
難しい判断が必要なこともあります。
投資先の企業を選んだり、自分が入社する企業を選ぶときは、
デジタルフォーメーションの観点で、その企業の将来性を考えることをおすすめします!
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