「国債買い(売り)オペ」?「金融政策」?今さら聞けない日銀金融政策について5分で解説!

金融政策という言葉を「一度は聞いたことがある!」という人も多いのではないでしょうか。

「金融政策」とは主に、景気が悪い時や、これから悪くなりそうな時に日本銀行(日銀)が実施するものですが、その仕組みについて理解している!という人は少ないのではないでしょうか?

この記事では、

  •  金融政策の役目と公開市場操作(オペレーション)について
  • 金融政策の代表格!国債の売買の仕組み。売りオペ/買いオペとは?
  • その他の日銀の役目と今後の日本について

についてお伝えしていきます。 

「金融政策」が分かるようになると、今の日本の政策がどのようなベクトルを向いているかが理解でき、投資をするにあたっても重要な判断基準となります。

 日本の金融の方向性を決める大事な政策なので、早速一緒に見ていきましょう!

 金融政策の役目と公開市場操作(オペレーション)について

そもそも金融政策とは、日銀が物価の安定を図ることを通じて、通貨と金融の調節を行うことです。 

日本銀行の公式ホームページでは次のように述べられています。

以下引用文

日本銀行は、わが国の中央銀行として、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資するため、通貨および金融の調節を行うこととされています(日本銀行法第1条、第2条)。調節にあたっては、公開市場操作(オペレーション)などの手段を用いて、長短金利の誘導や、資産の買入れ等を行っています。

こうした中央銀行が行う通貨および金融の調節を「金融政策」といいます。

金融政策の役目が分かったところで、具体的に日銀がどのような役割を担っているのか見ていきましょう!

金融政策の代表格!国債売買の仕組み。売りオペ/買いオペとは?

国が国債を売買する理由を知っていますか?

これには、2つの効果があります。

1つ目は資金供給オペレーション(買いオぺ)

2つ目は資金吸収オペレーション(売りオペ)です。

公開市場操作(オペレーション)という言葉を聞いたことある人は多いのではないでしょうか。

これは、日本銀行が行う一番大きな金融調節の手段です。

日銀が金融市場で民間金融機関との間で行う国債等の売買や資金貸し付けなどの取引のことで、日銀が国債を買うことを「買いオペレーション」、売ることを「売りオペレーション」と言います。

これらは略して通称「買いオペ」「売りオペ」と呼ばれていますよね。

この買いオペ、売りオペというのは、日銀側から見た言葉です。

つまり、

日銀が国債を買うと市場にお金が多く流れてデフレ対策になります。

逆に日銀が国債を売ると市場のお金は減ってインフレ対策となります。(日銀に市場のお金が吸収される)

これらのことから、景気が悪いときに金融政策として実施するのは、「買いオペ」の方です。 

直近の買いオペの募集を見てみましょう。

https://www.boj.or.jp/mopo/measures/mkt_ope/ope_f/index.htm/

2021年2月9日に実施された買いオペは以下のような金額でした。 

  • 1~3年=4,000億円 
  • 3~5年=3,700億円 
  • 5~10年=4,200億円 
  • 25年超=300億円 

ここから日銀がどの位のお金を市場に流しているか判断することができます。 

ちなみに国債の金利については財務省のホームページから確認することができますよ。 

2021年2月時点での個人向け国債の金利は0.05%~.1%となっています。

https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/recruitment/

その他の日銀の役目

低金利での銀行への貸し付け 

買いオペ、売りオペ以外にも日銀が行う金融政策として、低金利で銀行へお金の貸し付けを行うといった方法もあります。 

金利が下がることで、銀行はより安い金利で企業や個人に融資することができるようになります。 

その結果として、市場に流れるお金を増やすことができます。 

例えば住宅ローンなど、銀行から融資してもらって買い物をする必要があるときに、金利が安ければローンを組みやすくなりますよね。

これと同じことが日銀と銀行の間で行われているのです。 

日銀の買い支え 

「日銀の買い支えがあるから当面は株価は下がらない」なんて聞いたことがある人もいるかもしれません。 

これは、日銀が日経平均株価を暴落させないために、日経平均株価に連動している株式を購入しているからです。 

もちろん必ず買い支えてくれる保証はどこにもないわけですが、これによって投資家たちが安心して投資を続けており、株価の暴落を防いでくれています。

一方で、確かに日経平均株価が安定すれば経済が安定するものの、日銀が大量の株式を購入することにより、年々保有している株式数が増えていることが問題視されていたりもします。 

いつか売るとしたら日銀が保有する大量の株式が売られると、断続的に日経平均が下がってしまいますし、ずっと保有していると日経平均が暴落した時の影響を日銀が大きく受けてしまうことになるからです。 

他にも金融政策はあるので、興味がある方は調べてみて下さい。 

ここまでで金融政策のイメージができたら幸いです。 

今後の日本について

今回は日銀の金融政策について、金融政策の種類と日銀の国債の売買の仕組みについて解説をしました。 

いかがだったでしょうか。 

金融政策に漠然としたイメージしか持てていなかった方が、少しでも理解するきっかけになれたら嬉しいです。 

金融政策には色々な種類がありますが、市場に流通するお金を増やしたり、減らしたりして経済を安定させる目的のために実施しているという点では共通しています。 

一方で、日銀が保有する国債や株式は年々増加しており、金融政策は無限に実施できるものでもない点には注意が必要です。 

金融や経済の話は私のブログでかなり突っ込んだ内容で紹介しておりますので、気になる人は他のページを一回見てみるのもいいかもしれません。

「21世紀の資本論」に書かれていた、資本主義社会の2つの真実

あなたは、「資本主義」について深く考えたことはありますか? 

日本で生きていく中で、資本主義というものを当たり前に受け入れていませんか? 

資本主義社会の中では、自分の力でお金を得て生活しています。 

「21世紀の資本論」では、そんな資本主義社会の本質に触れ、課題やその課題に対する対策が述べられています。 

資本主義の抱える問題を知ることで、これからの生き方を見直すきっかけを得ることができるかもしれません。 

この記事では

  • 「21世紀の資本論」が一番伝えたい想い
  • 資本主義社会の歩き方

について紹介をしていきたいと思います。 

「21世紀の資本論」が伝えたい想い 

「本書において著者が一番伝えたいことは、「資本主義社会では貧富の格差はどんどん膨らんでいく」ということです。 

これはr>gという言葉で有名ですが、

「資本から得られる収益率」が「経済活動による成長率」を上回っているということです。 

それは言い換えると、資本を持っている人は雪だるま式にお金を増やしていきやすく、資本が少ない人はお金を増やしにくい傾向があるということです。

この貧富の格差を抑えるためには、収入に応じた課税制度である「累進課税」を全世界的に同時に導入しないと格差はどんどん拡大し、収拾がつかなくなってしまうということが述べられています。 

本書では、「インフレ」も貧困の格差が拡大する理由の一つであると述べられています。 

資本が多くある人は、リスクヘッジとして海外にも資本を分散することができますが、多くの一般の労働者たちは、国内で預金をすることが多いので、結果としてインフレによるダメージが大きくなる傾向にあります。

それによって更に格差が開いてしまうという負のループに陥ってしまうのです。

この大きな問題を、累進課税制度を導入することによって、徴収した税を年金や資産配分等で貧困層に還元をすることで、貧困の格差を抑えることこそが大切だと主張しています。 

また、「21世紀の資本論」で述べられている累進課税の対象は「全ての資産」とされており、労働による収益だけでなく、不動産や金融資産等の運用によって更に資本を拡大する資本全てに対して課税が必要しています。 

資本主義社会の歩き方

資本論というタイトルから、お金を増やすための投資に関する本かと思われがちですが、実は資本主義という社会に対する問題点やその解決策について書かれている内容で、とても興味深い内容ではないでしょうか。 

これまで、資本主義を生きるということについて、特に疑問や課題点を意識したことがない…。という人も、この本の内容を知っているだけでこれからの行動も変わってくることでしょう。

r>gの本質に気付ければ、投資をしなかったりお金に関する勉強をしなかったりする人はどんなに大きな損失を被っているかが理解できるのではないでしょうか。

10%の富裕層のために90%の一般人が搾取される構図を変えるには、搾取されている側が行動を起こす以外に変わりようがないでしょう。

私たち一人ひとりが資本主義の現実を知り、自分自身を守れるだけの知識を身に付けていきましょう!

実は、「21世紀の資本論」では資本主義の問題について多く書かれていますが、すでに資本を持っている人のことも書かれているので、資産を今後も継続して増やしたいと考えている人にもオススメできる内容となっています。

今後の資本主義社会について

資本主義社会の現状を知ったところで、

今後、この世界を生きていくためには、繰り返しお伝えしているr>g、すなわち「資本から得られる収益率が経済成長率を常に上回っている」ということを頭に入れておくべきです。 

一生働き続けても楽になることは難しく、資本を積み上げていく必要があります。 

資本を作っていくために欠かすことが出来ないことが投資です。

「投資をしてない人は居ない」銀行に預金している!という人も現金に一括投資していることと同じ

ここまでの話で、資産によって得られる所得は、経済成長率による所得、すなわち労働所得よりも上回るという現実を知ることが出来たと思います。

知りさえすれば、あとは行動するだけ。ですが

投資の話をすると、今まで投資をしていない人からすれば、「そんな危険なこと、できるわけないじゃないか」と思われる人もいらっしゃることでしょう。

しかし、資本主義社会で生きている中で、投資との関係は切ることができない関係なのです。

現金や預金で持っていたとしても、インフレによってお金の価値は年々低下していきますし、現金しか持っていないことのリスクをもっと知るべきです。

幸い、最近の投資先は優良な投資先もどんどん出てきており、投資の種類には有名なところだけでも

  • リスクの少ない国債や社債
  • 積立てで購入できるインデックス投資
  • ハイリスクハイリターンな個別株やオルタナティブ投資

など数多くあります。

いきなり投資に大金をいれるのではなく、まずはあなた自身で投資に対する勉強をしつつ、リスク許容度の範囲内での投資を心掛けるようにしていきましょう!

まとめ 

「21世紀の資本論」は資本主義における問題点、特に貧富の格差について課題と対策について述べられていました。 

資本主義社会は完全ではありません。

社会全体が少しでもよくなるように、国が改善するのはもちろんですが、一人ひとりの個人が、それぞれできることを考えていきましょう。 

「21世紀の資本論」は2020年に映画化されています!

コロナ禍での映画かだったためあまり話題にはなりませんでしたが、いまでもAmazonプライムなどで見ることが出来ますので下記から見てみましょう。

「嫌われる勇気」を3分で解説!アドラーが伝えたかった5つのこと

社会人になったら、日々色んな悩みが尽きませんよね・・・。 

仕事の悩み、人間関係の悩み、健康の悩み、色々あると思います。 

今回はそんな悩める社会人が絶対に読んでおくべき名著、「嫌われる勇気」をご紹介します。 

「嫌われる勇気」を読めば今までになかった見方で物事を考えることができるようになったり、その後の行動が変わったりして、これからの人生にとって良い影響を与えること間違いナシです! 

まずは「嫌われる勇気」とは、どのような本なのか、そして読むことで何が伝わるのかを解説していきます。 

「嫌われる勇気」はどんな内容の本なのか 

「嫌われる勇気」はオーストラリア出身の心理学者であるアルフレッド・アドラーが唱えたアドラー心理学について、わかりやすく書かれています。 

そもそもアドラー心理学とは何かというと、「全ての悩みは対人関係の悩み」とした上で、全ての人は「目的」によって選択して生きているという思想です。 

これだけだと難しいと思いますが、次の章でここは分かりやすく解説します。 

「嫌われる勇気」には青年と先生という2人の登場人物の対話式のストーリーとなっているので、 

アドラー心理学を始めて知ったという方にとってもわかりやすい内容になっています。 

私も読むスピードは普通位ですが、2日間に分けて4時間位で読むことができて、特にわかりにくいと感じることもありませんでした。 

休日に読むことが出来れば、人によっては1日で読み終えることも出来るような分かりやすい作りになっています。

内容は第一夜から第五夜までの五章構成になっています。 

次に「嫌われる勇気」が伝えたいことについて、この第一夜から第五夜に分けて簡単に解説していきます。 

「嫌われる勇気」が伝えたいこと 

第一章 目的論で考える 

アドラー心理学の基礎でもある「目的論」について、具体例を交えつつ述べられています。 

当時の私も含めて「嫌われる勇気」を読む前の方は、「何か原因があって結果がある」という「原因論」の方で物事を考えていると思います。 

例えば「風邪をひいたから会社を休む」というのが原因論的な考え方ですが、 

「会社を休みたいから風邪をひいた」というのが目的論的な考え方です。 

実際の結果は「風邪をひいた」ことに変わりないのですが、アドラー心理学では「風邪をひいたから会社を休む」のではなく、「会社を休みたい」という目的のために、風邪を引いたという理由を当てはめているということになるわけです。 

ちょっと笑ってしまうような話しですが、この”目的”に目を向けるのがアドラー心理学の基本になってきます。 

第二章 全ての課題は対人関係 

私達の全ての悩みは突き詰めれば対人関係の問題に含まれているということが述べられています。 

「容姿やお金に関する悩み」は対人関係ではないのでは?

と思われるかもしれません。

しかし、実はこれも「他人の価値観で比較をしてしまうことで悩みの種になっている」ということが出来ます。

例えば容姿に関する悩みについては、極論ですが「もし、自分一人だけの世界」だったら比べる対象がいないから悩む必要はありません。 

お金の悩みについても、共産主義的な考え方になりますが、みんなが同じ給料、生活水準だったら悩みはなくなるでしょう。

結局は全て対人関係の問題と言えてしまうのです。

第三章 課題には自分の課題と他者の課題がある 

第二夜で解説された「対人関係の問題」は自分と他者の課題に分離した方が良いと述べられています。 

例えば「子供が勉強しないという課題」があったとしましょう。

そのときに子供が勉強しやすいよう、環境を整えるというのは親の課題ですが、 

子供に対して過度に勉強した方が良いと言うことは、子供の課題に介入していることになるので、避けるべきということです。 

確かに人の課題に介入してしまうということは、私たちの日常でもありがちなことかと思います。 

相手のことを本当に想うのであれば、相手の課題に介入することがないようにしましょう。

第四章 自分に価値があると思うためにどうすれば良いか 

幸福になるためには、「自分に価値がある」と思う必要があるということが述べられています。 

これは決して、「ナルシストになろう!」ということではありません。笑

自分の価値に気付くためには「共同体」の中で貢献をする必要があるとされています。 

ここでいう「共同体」とは家族や学校、会社等のことを指していますが、 

要は自分の居場所を見つけて、その中で貢献することに幸福なるきっかけがあるということです。 

一つの共同体に依存せずに、居場所を見つけて様々な共同体に視野を広げることで、居場所を見つけることができます。 

私も仕事だけ頑張っていた時はストレスで息詰まることが多かったですが、 

趣味や勉強等に熱中することで、気が楽になった経験があります。

つまり、「別の共同体にも属することで生きることが今よりも何倍も楽になって楽しくなる!」ということです。

第五章 幸福を表現することで周囲も幸せになる 

本の中で、青年が「人生の意味は何なのか」という問いかけをしたシーンがありました。

これに対して、「このような漠然とした問いは人生に影響を与える意味はない」としつつも

ただ他者に幸福を表現すること」が、自分自身の幸福に繋がると述べられています。 

幸福を表現するというのは、難しい話しではなく

  • ただ人にお礼が言えたり
  • 無償の親切であったり 

それが自分にプラスにならないようなことでも、幸福を他者に伝えるだけで立派な他者貢献ということです。 

最終章は少し難しく感じるかもしれませんが、なにか特別な能力が無くても、大きな成果がなくても、どんな小さなことでも他者に貢献できれば幸福だということを伝えています。 

まとめ 

今回は「嫌われる勇気」について解説をしてきました。 

私は「嫌われる勇気」を読むことで、自分が悩んでいることの本当の目的を考えることができるようになりました。 

他者に原因を求めるのではなく、「自分が何をしたくて悩んでいるか」を探すことで、根本的な問題に気づくことができるようになりました。 

「嫌われる勇気」では、他者に貢献するということは、他人の課題に足を踏み入れることではなく、普段から当たり前に感謝を伝えたり、親切にすることだと述べられています。

あなたが、この記事を読んで、いきなり思考をガラっと変えることは難しいかもしれません。 

しかし、あなたに「変わりたいな」と思う気持ちが少しでもあって、ふっとした瞬間や自分や周りの人が悩んでいるときに、思い出すだけでも十分に意味があります。 

人は必ず変われます。

あなたのこれからの人生がより良くなるために、ぜひ一度読んでみることをオススメします。