ユニゾホールディングスの株価が急騰したニュースを覚えているでしょうか?
2019年8月16日、HISからの敵対的TOB(株式公開買い付け)によりユニゾHDの株価が14%以上も上昇しました。
同日、この敵対的TOBに反発したユニゾHDは「ソフトバンクグループ傘下の投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループと組み、HISとは別にTOBを実施する方向で最終調整している」との報道もありましたね。
ユニゾHDにとっては、フォートレスが友好的な第三者であるホワイトナイト(白馬の騎士)となりました。
これを友好的TOBと言います。
TOBについて詳しく知りたい人は下記記事を参照ください。
ちなみに、「半沢直樹」の出向先の東京セントラル証券で起こった、「電脳雑技集団」による「スパイラル」の買収事件がありましたよね。
あれが敵対的TOBで、ホワイトナイト役が「フォックス」です。
(半沢直樹でのホワイトナイト役は裏で手を組んでいましたが…。笑)
実はTOBは現実でも少なからず行われているのです。
なぜユニゾHDが狙われた?注目すべきは資産バリュー株!
ユニゾHDに仕掛けられた敵対的TOBは、ホワイトナイトである「フォートレス」が勝利したことにより失敗に終わりました。
しかし、ユニゾHDの株を持っていた個人投資家はこの一連の騒動を通じて大きな利益を上げることとなりました。
それではなぜ、ユニゾHDは狙われたのでしょうか?
この答えは、資産バリュー株にありそうです。
資産バリュー株について詳しく知りたい人は下記記事に分かりやすく解説しています。
倉庫業のNO.1株式!安田倉庫について徹底解説!資産バリュー株のすゝめ
TOB前はこんなに割安だった!?特徴をつかめば次の暴騰株をゲットできる
ユニゾHDは元々、賃貸オフィスビルとホテルを運営する会社でした。
当時の低金利を追い風に拡大戦略をずっと続けてきましたが、毎年のように行われる公募増資によって株価は下がり続けていました。
しかし本来、公募増資は株式の価値にマイナス影響を及ぼすものではないのです。
EPS(1株あたり利益)もしっかり維持しており、将来の利益増加が見通せる状態でした。
しかし、発行済株式数が増加することによってEPSが一時的に減少することもあります。
- 例えば、1億の時価総額の会社があったとして、発行株式数が1,000枚の場合
- 100,000,000÷1,000=100,000円
- 一株の価値は10万円になります。
- 発行株式数を10,000に増やすと
- 100,000,000÷10,000=10,000円
- 一株の価値は1万円になります。
確かにこうやってみると、一株当たりの価値が下がってしまうので敬遠する個人投資家も多いでしょう。
しかしユニゾHDは、公募増資によって得た資金は、不動産やホテルなど、高確率で利益を出せる資産に投資していました。
増資によって得た新たな資金は、間違いなく企業価値に上乗せされますし、それを元手に利益を増やすことが出来れば、EPSもやがて上昇します。
そこから将来的に利益を出せるなら、1株あたりの価値が減少することはないのです。
ですが、一時的なEPSの低下や受給悪化を懸念する短期投資家の行動心理は固く、公募増資によって株価は低迷し、それに反比例するように、PERはどんどん割安になってしまったのです。
まとめ
ユニゾHDは決して業績が悪いわけではなかったのですが、公募増資を嫌った投資家が多かったことにより株価が低迷しその結果敵対的TOBを受けることとなりました。
このように実際の企業の価値と株価が乖離することはまれにあります。
そのような割安な株の事を資産バリュー株と言います。
資産バリュー株は実際の価値より安い株価で買えることが多いため、必要な投資金額も少なくすむことが多いです。
資産バリュー株は、ユニゾHDのようにストップ高になるほどある日急に来ます。
「その時」を逃さないように割安な今のうちに購入しておきましょう。
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